贈与ジャングル


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公正証書での贈与



 請求人は、本件贈与契約公正証書に記載された財産は相続開始前であるその作成日付の日にその被相続人から贈与を受けた財産であるから、相続財産から除外されるべきであると主張するが、本件各証拠資料により認められる各事実を総合すると、本件贈与契約は、公正証書による贈与契約の形は存在するけれども、当事者の客観的真意とは別になされた仮装の行為とみるのが自然かつ合理的であって、これをこのまま承認することは、租税負担の公平の見地からも採り難いところというほかない。

 したがって、本件公正証書に記載された財産は、相続時において請求人のものではなく、被相続人の相続財産であるとした原処分は相当である。

昭和46年9月27日裁決



 被相続人と請求人らは、公正証書によりいったん土地を贈与する旨の合意をしたが、更にその翌日、被相続人はその合意を踏まえた上、遺言書を作成して、被相続人が死亡した時を期限として当該土地を請求人らに贈与する旨の意思を表示し、また、被相続人は公正証書を作成してから死亡するまでの間に、当該土地を名実ともに自己が使用、収益、処分し、請求人らはこれを黙認してきたものであるから、公正証書による合意の真の内容は、被相続人が将来において、所有権を請求人らに移転することを予定したものにすぎないと認められ、当該土地についての贈与の効力は、被相続人の死亡により確定的に生ずることとなったものといわざるを得ない。

昭和54年2月14日裁決



 被相続人と請求人らは、公正証書を作成し、不動産を贈与する旨の合意をしたが、被相続人は公正証書を作成してから死亡するまでの約6年間不動産を従前どおり自己の所有物として管理し、使用収益していたこと、被相続人には公正証書作成当時同人の死亡後、同人の財産の分割等が支障なく行われるであろうという思惑が存在したことが十分うかがわれることなどから、公正証書による合意の真の内容は公正証書記載の贈与を即時に行うというものではなく、むしろ、死因贈与契約をしたものと認めるのが相当であり、贈与の効力は被相続人の死亡により生ずることとなったものといわざるを得ない。

昭和57年10月8日裁決





 請求人は、公証人の確定日付のある本件贈与証書によって財産を取得したと主張するが、本件贈与証書は将来における租税回避を意図して作成された実態の伴わない形式的文書にすぎず、本件贈与証書によって贈与契約が成立したとは認めることはできないこと及び贈与者が贈与登記に至るまでの間、贈与財産の管理処分をしていることなどから、本件贈与財産の取得の時期は、本件贈与登記の時であると認めるのが相当である。

昭和60年3月25日裁決





 請求人は、公正証書による財産の贈与時期は、本件不動産に係る所有権の移転登記がされた日ではなく、公正証書が作成された日である旨主張する。

 しかしながら、[1]贈与税課税の除斥期間が経過するまで所有権の移転登記がされていないこと、[2]公正証書の作成目的が租税回避以外の必要性がないこと及び[3]公正証書の記載内容と異なる行為が行われていることから、当該公正証書は実態を伴わない形式的な文書と認めるのが相当であり、これにより贈与が成立したとは認められない。

 したがって、本件不動産の贈与の成立した日は、第三者に対抗するための法律要件が成就した日(所有権移転登記が行われた日)と認めるのが相当であるから、本件決定処分は適法である。

平成9年1月29日裁決












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