贈与ジャングル


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低額譲受による贈与




 請求人は、取引相場のない本件株式を、財産評価基本通達に定める配当還元価額で譲り受けたのであるから、相続税法第7条の適用はない旨主張し、原処分庁は、本件株式の譲渡対価の額は、本件株式の取引事例価額に比して著しく低額であることなどから、財産評価基本通達に定める評価方法により難い特別の事情が認められ、本件においては当該取引事例価額を基に算定した金額が本件株式の時価に相当するから、本件株式の取引は同条の適用がある旨主張する。

 しかしながら、請求人は本件株式の1回の取引で持株割合10.8%の数量の株式を取得して、個人株主の筆頭となり、また、購入資金の原資である借入金の保証人は譲渡人であるなど、本件株式の取引には親族と同様の立場の便宜が図られていることが認められることから、単に配当金を期待し得るにすぎない零細株主に適用するという配当還元方式採用の趣旨に照らしてこの方式により算定した配当還元価額を本件株式の時価とすることは相当でなく、請求人の主張は採用できない。

 また、複数の取引事例に係る譲渡価額がほぼ同じ単価であることをもって直ちにその単価に基づき算定した価額を時価とすることも相当とはいえないことから、原処分庁の主張も採用できない。

 したがって、本件株式の価額は、財産評価基本通達に定める原則的評価方式である類似業種比準方式により算定した価額とすべきであり、当該価額と譲渡対価の額との差額は、相続税法第7条に規定する著しく低い価額の対価で財産を譲り受けた場合に該当して、みなし贈与課税の対象となる。

平成14年12月20日裁決



 請求人らは、相続税評価額で行った親族間の土地売買(以下「本件譲受け」という。)について、[1]相続税法上の時価は相続税評価額であること、[2]平成元年個別通達(以下「本件通達」という。)が定められた時と本件譲受けの時とでは不動産状況が異なることから、本件通達の適用はその前提条件を欠いていること、[3]仮に、相続税法第7条の規定(以下「本件規定」という。)の適用があるとしても、贈与税の課税は相続税評価額と本件譲受けの対価との差額で行うべきであることから、本件譲受けは、本件規定の著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合に該当せず、贈与税の課税価格も発生しない旨主張する。

 しかしながら、[1]相続税法第22条に規定する時価とは、客観的な交換価値をいい、同法第7条に規定する時価も、その意義に差異はないと解される。ところで、課税実務上は、納税者間の公平等の見地から、財産評価基本通達に定める方法によって画一的に時価を評価しているところ、土地等の価額の算定に用いる路線価は、1年間の地価変動にも耐え得るものであること等の評価上の安全性に配慮したものであるが、対価を伴う取引の場合には、一般の相続や遺贈のような偶発的な無償取得である場合と異なり、偶発的に発生するものではなく、自由な取引として当事者が取引の時期等を自由に選択でき、財産の時価を認識した上で双方の合意に基づいて財産の移転ができることからすれば、対価を伴う取引の場合の財産の時価は、上記の評価上の安全性に配慮した相続税評価額をそのまま適用することは適切ではなく、通常の取引価額に相当する金額によって評価するのが相当である。[2]本件通達の適用の有無は、取引時の不動産状況、すなわち、通常の取引価額に占める相続税評価額の割合のみによって判断すべきものではなく、個々の取引の事情等を総合勘案し、社会通念に従い実質的に贈与を受けたと認められるか否かにより、本件通達の適用の有無を判断すべきである。[3]低額譲受けに該当する場合の贈与により取得したものとみなされる金額は、譲受けの対価とその不動産の通常の取引価額との差額によるべきである。

 したがって、請求人らの主張にはいずれも理由がなく、本件譲受けは、取引の事情、取引当事者間の関係等を総合勘案すると、本件規定の著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合に該当することから、本件譲受けについて、本件規定を適用してされた原処分は適法である。

平成18年5月24日裁決



相続税法第7条は、著しく低い価額で財産の譲渡を受けた場合においては、法律的には贈与といえないとしても、経済的には対価と時価との差額について実質的に贈与があったと同視することができるため、この経済的実質に着目して、課税負担の公平の見地からその差額について贈与があったものとみなして贈与税を課税する趣旨のものと解されるところ、請求人及び原処分庁の主張する時価額はいずれも採用できない。

 そこで、当審判所において、公示価格を基に土地価格比準表に準じて地域要因及び個別的要因等の格差補正をして本件土地の時価額を算定したところ、その価額は45,661,363円と算定された。

 そうすると、本件土地の時価と売買価額との差額は18,501,363円に達するものであることから、本件土地の売買価額は、相続税法第7条に規定する著しく低い価額の対価であると認めるのが相当である。

平成13年4月27日裁決



 請求人は、父から譲り受けた本件土地の持分部分(請求人の持分を除いたもの)には、父が所有し、請求人の夫が賃借している建物があること、請求人の所有持分について賃貸借契約を締結し、父が賃貸借料を支払っていることから、請求人が譲り受けたものは底地である旨主張する

 しかしながら、本件土地の持分の譲渡者と本件建物の所有者とは同一人であるから、同部分に父が借地権を有していたとは認められず、また、請求人に支払われている賃貸借料は固定資産税額と同額であるから、請求人と父との間の貸借は使用貸借と解すべきである。

 そして、本件土地は貸家の用に供されている土地であるから、その価額につき、国税局長が定める財産評価基準書で示されているその土地に係る借地権割合とその貸家の借地権割合との相乗積を当該更地価額に乗じて計算した金額を、その更地価額から控除した価額とすることを不相当とする理由は認められないから、これらを基に本件土地の貸家建付地価額を算定すると、本件譲受価額は当該貸家建付地価額に比して著しく低い価額の対価と認めるのが相当である。

平成14年3月28日裁決











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